竜王・龍王(りゅうおう)は、将棋の駒の一つ。本将棋・小将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。本将棋で最強の駒であることから、タイトル戦である竜王戦の名前の由来の一つにもなっている。
「龍」と「竜」とは異字体の関係にあり、「龍王」とも「竜王」とも表記される。実在の将棋の駒には通常「龍王」と表記されている。一方、日本将棋連盟では活字にする場合には常用漢字である「竜」の字体(新字体であると同時に古字でもある)を採用して「竜王」と表記するのを正式としている。
なお、本将棋の駒(飛車の裏面)では、「龍」の字の旁の最後の画の「はね」を大きく上向きに強調した崩し字が使われることが多く、これは「昇り龍」を意味している(対して竜馬でははねを下向きにした「下り龍」が使われる)。ただし、「龍王」の文字が崩されていない書体も水無瀬兼成など一部の書体に存在する。
本将棋・小将棋
竜または龍(りゅう)と略す。飛車の成駒としてのみ存在する。
英語ではpromoted rookまたはdragonと訳され、略称は RまたはD。明治の頃までは略称として「王」という呼び名もあったが、「王」では王将(玉将)と紛らわしいため、略称としてはもっぱら「竜(龍)」が用いられるようになった。
中将棋・大将棋・天竺大将棋
中将棋では龍と略す。生駒と成駒とがあり、飛車の成駒。生駒の龍王は成ると飛鷲。
中将棋では生駒の竜王はどちらかと言えば攻めの駒として活躍する。成駒の飛鷲は角鷹と並んで中将棋及び大将棋の駒の中ではかなり強力な駒となる。
大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋
龍と略す。大大将棋では飛龍の成駒。生駒の龍王は成ることはできない。
大局将棋
飛車・飛龍の成駒。生駒の龍王は成ると飛鷲。
参考文献
- 梅林勲・岡野伸共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』(将棋天国社、2000年)
関連項目
- 将棋類の一覧
- 将棋類の駒の一覧
- 竜王戦
- 竜追い



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