HD 108147は、みなみじゅうじ座の方角に約127光年の距離にある恒星である。その周囲には、1つの太陽系外惑星が発見されている。
特徴
HD 108147は、見かけ上非常に明るい恒星みなみじゅうじ座α星のすぐ近くに位置し、7等星なので肉眼でみるには暗すぎるが、双眼鏡があれば簡単にみることができる。HD 108147は、黄白色に輝く主系列星で、スペクトル型はF8 VまたはG0 Vと分類される。質量は太陽より3割程大きく、光度は太陽の倍程度である。年齢は22億年程度で、太陽よりは若い。
惑星系
2002年、ジュネーブ天文台の系外惑星捜索グループが、ラ・シヤ天文台のオイラー望遠鏡を用いた視線速度法の観測により、HD 108147の周りを公転する惑星HD 108147 bの発見を報告した。HD 108147 bは、土星大とみられる巨大ガス惑星で、母星から0.1au程の距離を11日弱の周期で公転している。
名称
2019年、世界中の全ての国または地域に1つの系外惑星系を命名する機会を提供する「IAU100 Name ExoWorldsプロジェクト」において、HD 108147とHD 108147 bはパラグアイ共和国に割り当てられる系外惑星系となった。このプロジェクトは、「国際天文学連合100周年事業」の一環として計画されたイベントの1つで、パラグアイ国内での選考、国際天文学連合 (IAU) への提案を経て、太陽系外惑星とその母星に固有名が承認されるものであった。2019年12月17日、IAUから最終結果が公表され、HD 108147はTupã、HD 108147 bはTumearanduと命名された。Tupãは、パラグアイに広く伝わるグアラニー文化の創世神話における大神の1柱で、主神Ñamanduの宇宙創造を助けたとされる。Tumearanduは、グアラニーの神話で最初の人間であるRupavêとSypavêの間に生まれた子であるTume Aranduのことで、パラグアイでは「知恵の父」と伝えられている。
脚注
注釈
出典
関連項目
- みなみじゅうじ座の恒星の一覧
- HD 168746
外部リンク
- HD 108147 - NASA Exoplanet Archive
- Planet HD 108147 b - Extrasolar Planets Encyclopaedia
- HD 108147 b - Exoplanets Data Explorer
- HD 108147 - EXOKyoto
- Exoplanets Galore! - ESO
- A very low-mass planet in eccentric orbit around HD 108147
- Paraguay | IAU100 Name ExoWorlds
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