2025年シックス・ネーションズ・チャンピオンシップ(2025 Six Nations Championship)は、 2025年1月31日から3月15日まで開催のラグビーユニオン「シックス・ネーションズ・チャンピオンシップ」男子大会である。主催はシックス・ネーションズ・ラグビー。スポンサー名「ギネス」を冠してギネス男子シックスネーションズ(Guinness Men's Six Nations)、「M6N」ともいう。イングランド、フランス、アイルランド、イタリア、スコットランド、ウェールズの男子代表チームが参加する。
概要
この大会は、ホーム・ネーションズ、ファイブ・ネーションズ時代を含め、通算131回目となる。2000年にシックス・ネイションズに拡大されてからは、26回目となる。
- 2025年から大会ロゴを刷新。男子はオレンジ色で「M6N」、女子は紫色で「W6N」、U20は黄色で「U6N」をシンボルビジュアルとする。
- 第2節と第3節の間、第3節と第4節の間は、2週間あく。他は1週ずつ実施する。
- アイルランドは、2023年・2024年と連覇し、この大会に臨む。ヘッドコーチであるアンディ・ファレルは、2025年にブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズのヘッドコーチとしてオーストラリア遠征を行うため、サイモン・イースタービーが暫定ヘッドコーチを務める。
- 前年フランスのホームグラウンドは、2024年パリオリンピックのため異なる会場で実施されたが、この大会では例年どおりサン=ドニのスタッド・ド・フランスで行われる。
- イギリス国内での中継放送では、イングランド代表の5試合のうちウェールズ戦以外の4試合をITVが担当し、そのコメンテーターにエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチが務める。
ルールやシステムの変更点
ルールやシステムについて、前回大会との大きな違いは以下の通り。前回大会で導入された「スマートマウスガード(iMG)」は引き続き用いられる。
- タッチファインダー(Touchfinder) - キックしたボールがタッチラインを超えたか否かを、ピッチ上に配置されたビーコンが正確に測定し、おもに副審の補助とするシステム。ワールドラグビーU20チャンピオンシップ2023から主要大会で導入された、ボールの正確な位置を1秒間に最大20回特定しフィードバックする「スマートボール」のシステムを進化させた。
- オンマイク(on mic) - レフリーに付けたマイクからの音声を、テレビ中継だけでなく試合会場内にも流し、レフリーによる決定過程を観客にも伝える。2024年秋のオータム・ネーションズシリーズでも導入された。
- 20分レッドカードとフルレッドカードの選択肢 - テクニカルな違反について、国際的に試験的実施中の20分レッドカードのルールを継続。故意かつ危険な違反に対するフルレッドカードと対比して、レフリング選択を行う。
- ピッチクロックの短縮 - コンバージョンキックは60秒以内、スクラムとラインアウトの形成は30秒以内。
- 9番の保護 - ラック、モール、スクラムにおいて、9番の動作を邪魔しない。
- TMO権限の追加 - トライ前のノックフォワード・フォワードパス・インタッチの有無や、トライ前の2フェーズでのオフサイド・モール妨害・タックル完了の有無に関して、違反を特定する権限がTMOに与えられる。
参加チーム
- アイルランドHCアンディ・ファレルは、ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズのHCとして2025年オーストラリア遠征を行うため、サイモン・イースタービーが暫定HCを務める。
- スコットランドのキャプテン シオネ・トゥイプロトゥは、1月に負傷のため、代わりに2名が共同キャプテンとなった。
- 第2節終了後の2月11日、ウェールズHCのウォーレン・ガットランドは退任を発表した。
スコッド
出場選手リストの詳細は「2025年シックス・ネイションズ・チャンピオンシップ スコッド」を参照。
順位表
2025年3月10日現在。第2節と第3節の間、第3節と第4節の間は、2週間あく。他は1週ずつ実施する。
勝ち点の配分
出典:
- 勝利で4点、引き分けで2点。
- 「勝敗に関係なく4トライ以上獲得」もしくは「7点差以内での負け」で、ボーナスポイント(BP)1点付与(両方に該当する場合2点付与)。
- 全勝したチーム(グランドスラム)に、ボーナスポイント3点付与。これは、全勝しなくても首位になる逆転現象を防ぐ目的。
- 勝ち点が同点の場合の取り扱い
- 勝ち点が同点の場合は、得失点差が少ないほうが上位。
- 得失点差も同じ場合は、トライ数の多いほうが上位。
- トライ数も同数の場合は同順位。1位が複数の場合の場合は同時優勝。
2国間トロフィー
- シックス・ネイションズでは、2国間で争われるトロフィー(Rivalry Trophies)がある。勝利チームには、それぞれ特徴のある形のトロフィー(カップ)が授与される。過去の対戦履歴は「シックス・ネイションズ#結果」を参照。
- スコットランドにとっては、5試合すべて、2国間トロフィーをかけた対戦である。
- 同点で試合が終了した場合は引き分けとなり、その年の勝者は不在となる。
試合結果
出典:
Round 1
- ウェールズはテストマッチ13連敗を喫した。
- フランスがウェールズに対し無失点で勝利するのは、1998年4月5日ファイブ・ネイションズでの51対0以来、27年ぶり。
- ウェールズの無得点は、2007年6月2日のオーストラリア戦での0対31以来、17年4か月ぶり。
- スコットランドは、イタリアとの2国間トロフィー「クッティッタ・カップ」を奪還した。
- アイルランドは、イングランドとの2国間トロフィー「ミレニアム・トロフィー」を奪還した。
Round 2
- ウェールズはテストマッチ14連敗。
- ウェールズのワールドラグビーランキングが11位から12位に落ち、2003年にランキングが設立されて以来の最低順位となった。
- イタリアがウェールズに対して連勝するのは初めて。
- 3日後の2月11日、ウェールズHCのウォーレン・ガットランドは退任を発表した。
- アイルランドは、スコットランドに対して11連勝となった。
- アイルランドは、スコットランドとの2国間トロフィー「センテナリー・クウェイク」を8連覇した。
Round 3
- アイルランドは、イングランド・スコットランド・ウェールズに勝利して、14回目のトリプルクラウンを達成した。
- イングランドは、スコットランドとの2国間トロフィー「カルカッタカップ」を2020年以来5年ぶりに獲得した。
- 「1試合(両チーム合計)14トライ」は、シックス・ネーションズでの最多記録12トライを更新した。12トライは、1887年スコットランド(12T)対ウェールズ、2001年イングランド(10T)対イタリア(2T)、2015年イングランド(7T)対フランス(5T)。
- フランスは、イタリアとの2国間トロフィー「ジュゼッペ・ガリバルディ・トロフィー」を獲得した。
- フランスはイタリアに対して、史上最高得点で勝利した。
Round 4
- ウェールズは、テストマッチ16連敗。これは、イタリアの16連敗記録(2019年10月4日南アフリカ共和国戦から2021年11月13日アルゼンチン戦まで16連敗。翌週11月20日ウルグアイ戦で勝利)と並ぶ。
- スコットランドは、ウェールズとの2国間トロフィー「ドッディ・ウィアーカップ」を3連覇した。
- イングランドのジェイミー・ジョージは、史上7番目のイングランド代表100キャップ選手となった。
Round 5
- ウェールズは、テストマッチ17連敗となり、大会最多記録を更新した。
- フランスが大会優勝。
- フランスのルイ・ビエル=ビアレは、今大会で8回のトライを挙げ、最多トライ記録を更新。2018年大会でアイルランドのジェイコブ・ストックデイルが記録した7トライの記録を破った。
- フランスはこの大会で計30トライを挙げ、シックス・ネイションズ大会での最多トライ数記録(2001年大会でのイングランド計29トライ)を更新した。
放送・配信
出典:
- 日本:WOWOW(放送・配信)
- イングランド・スコットランド・北アイルランド:ITV、BBC
- ウェールズ:ITV、BBC、S4C
- アイルランド:RTE、Virgin Media
- フランス:France TV
- イタリア:Sky、RAI
ドキュメンタリー
2025年1月29日から、Netflix(ネットフリックス)でインタビューを中心とした前年2024年大会のインタビュー構成ドキュメンタリー(第2シーズン)「シックス・ネーションズ イン・タッチ」を配信。2023年大会を描く第1シーズン「シックス・ネーションズ フルコンタクト」(全8回)は、前年2024年1月24日から配信済み。
脚注
注釈
出典
関連項目
- シックス・ネイションズ
- シックス・ネーションズ・ラグビー - 主催者
- 女子シックス・ネイションズ
- U20シックス・ネイションズ・チャンピオンシップ
外部リンク
- 公式サイト sixnationsrugby.com
- ワールドラグビー「男子シックスネイションズチャンピオンシップ」




