共有結合半径(きょうゆうけつごうはんけい、英: covalent radius)とは、共有結合している原子の大きさを表す尺度である。原子種、電気陰性度などによって変わる。
また、定義がはっきりしないため、解釈によっても変化しうるが、共有結合している原子Aと原子Bの距離は各原子の共有結合半径の和、R(AB)=r(A) r(B) で表されることが多い。ライナス・ポーリングは同種二原子分子の場合、原子種、電気陰性度が共に同じであるため、原子間の距離の2分の1が共有結合半径と定義した。
概要
共有結合半径 rcov は1つの共有結合の一部を形成する原子から測定され、単位には通常ピコメートル (pm) かオングストローム (Å) を使う。より一般的には、同種二原子分子AAまたは、それに関連する元素を、実験、または量子化学計算から測定し、共有結合半径の距離を決める。
ほとんどの多重結合では、結合次数が大きいほど結合距離が短い (r1> r2> r3) 傾向にあるが、いくつかの弱い多重結合だけはこの傾向から外れる可能性がある。それは、多重結合Rに炭素のよりも弱い配位子が結合している場合である。それらの半径 r(A) は原子Aの隣の原子か、その配位数に依存する。特にこの傾向はd軌道、f軌道の遷移において見られる。
共有結合半径表
ここではセルフコンシステントアプローチによる共有結合半径の単結合、二重結合、三重結合距離を示す。分子AB間の共有結合距離は R(AB)=r(A) r(B) で表される。また、同様にセルフコンシステントアプローチにより、四面体形分子の共有結合半径を考慮できる。
ここでKCs単結合距離を求めたい場合、R(KCs)=r(K) r(Cs)=428pm(ピコメートル)になる。
脚注
関連項目
- 共有結合
- ファンデルワールス半径
- イオン半径




