概要
「老」字は年老いたことを意味する。動詞として用いられる時は、自動詞で老いて官職を退くこと、他動詞で老人を敬い養うことを意味する。名詞としては高齢の有徳者や臣下幕僚への尊称として用いられ、天子の大臣である上公や上卿を意味したり、大夫の家臣である家老を意味した。また衰えるさま、老練であるさまを意味する。
『説文解字』は「人」「毛」「匕(変化)」の会意文字とするが、甲骨文を見ると、髪が薄く背の曲がった老人が杖をつく様子に象っている。
偏旁の意符としては老いに関することを示す。このとき上の冠の位置に置かれるが、匕部分を省略した「耂」が用いられることが多い。
老部では上記のような意符を構成要素に持つ漢字を収める。また「者」のように楷書で「耂」形の筆画を持つようになった漢字も収めている。
ちなみに「者」は康熙字典では篆書に倣い「耂」の下に点が入った形の「者」とするが、現在は日本・中国・台湾・香港ともに楷書に従い、点のない「者」とする。
部首の通称
- 日本:おいがしら・おいかんむり
- 韓国:늙을로부(neulgeul ro bu、老いた老部)
- 英米:Radical old
部首字
老
- 中古音
- 広韻 - 廬晧切、晧韻、上声
- 詩韻 - 晧韻、上声
- 三十六字母 - 来母
- 現代音
- 普通話 - ピンイン:lǎo 注音:ㄌㄠˇ ウェード式:lao3
- 広東語 - Jyutping:lou5 イェール式:lou5
- 日本語 - 音:ロウ(ラウ)(漢音・呉音) 訓:おいる・ふける
- 朝鮮語 - 音:로(ro) 訓:늙을(neulgeul、老いた)・익숙할(iksukhal、熟練した)・어른(eoreun、年長者)
例字
- 老
- 2:考、4:耆・耄、5:者(者4)、6:耋



